訴えられた方へ(裁判を起こされた方は是非お読みください)

2015/09/05

ある日突然、裁判所から訴状や調停申立書が送られてくることがあります。

これは、紛争の相手方があなたに対して、裁判手続きを開始したことを意味しています。

裁判所から書類が届くと慌ててしまいますが、まずは落ち着いて、どのような内容の裁判が起こされたのか、訴状などを一読してみてください。

訴状や調停申立書には、訴訟を提起した側(訴訟手続では「原告」と呼ばれます)の主張が記載されています。

ですので、多くの方が訴状等を読むと「とんでもない一方的な主張だ!」と憤りを感じるようです。

この相手方の主張に対して、裁判所で、こちら側の言い分(反論)をしていくことで、裁判がスタートするわけです。

もちろん、訴状等に記載されているのは、原告側の言い分であって、証拠がなければ、その言い分が全て裁判所に認められるというわけではありません。

今度は、「原告の主張は真実と全く異なる!」ということを、訴訟を起こされた側(訴訟手続きでは「被告」と呼ばれます)から主張していくわけです。

訴状などが届いたら、まず裁判期日がいつなのか確認してください。訴訟や調停の裁判期日は、通常、訴状等が届いてから約1ヶ月後に設定されています。

とりわけ訴訟手続では、この裁判期日に、何も書類を提出せずに、欠席してしまうと相手方の主張が全て認められてしまうので、注意してください。

相手方の主張している事実が概ね正しい場合でも、請求金額が事件の相場からして、かなり高い請求額になっている場合もあります。

そのような場合には、しっかり裁判において、請求金額が高すぎる旨を主張しなければなりません。

適正に争うことで、原告側の請求額を減額させられることは多いです。

なお、裁判所からの書類ではなく、弁護士からの内容証明郵便が届く場合があります。内容証明郵便に対しては、応答しないこと自体に制裁があるわけではありませんが、紛争拡大を防止する観点からは、やはり適切に対応すべきと考えます。
 
訴状、調停申立書又は内容証明郵便などが、あなたの手元に届いた際には、早急に弁護士に相談されることをお勧めいたします。

 

訴状などが届いた場合のポイント

○ 訴状などに書いてあることは、相手方の主張(裁判所が認めた主張ではない)であることを念頭に、落ち着いて、届いた訴状などを一読する

○ 裁判期日がいつなのかを確認する

○ 訴訟は、応答しないで裁判期日に欠席すると、相手方の主張が全て裁判所に認められてしまう(その後強制執行を受けてしまう)

○ 主張されている事実が概ね正しい場合でも、適正に裁判で争うことによって、請求額を減額させることができる場合が多い

○ 訴状、調停申立書又は内容証明郵便が手元に届いたら、一度、弁護士に相談する